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1:故郷(6)

2015年07月31日 12:43

あれから何年も経つというのに
あの時の恐怖が
まだ私の中で生きている。


私は線香が怖い。
恐怖で握る事はできないし
人が手にしている姿を
目にしただけでも
冷静でいられなくなるほど怖い。



線香の先で
焼かれていたからなんだと思う。
火に対しても恐怖心があった。
未だにマッチ、ライター
卓上コンロも使えない。
触るのさえも嫌だ。



何とか使えるようになったものの
ガスコンロも苦手。
社会人になってからも火をつけられない程
恐怖心があった。



この先もずっと
私が付き合っていかなければならない事だって
自分でも分かっている。



1:故郷(5)

2015年07月30日 20:55

捕えられ家に連れ戻されると
小さな私の体を身動きが取れないように
全身柱に縛り付けた。


私は泣いた。
大声で泣き叫んだ。
母が酷いを事をしている!と
周囲の人間に知らしめる為に
大声で喚き散し泣き叫んだ。




泣き叫ぶ私に苛立ちを抑えられない母は
仏壇へと向かった。
私の元へ歩いてくる母の手に
握りしめられていたのは
線香とライターだった。





ごっ・・めん・・・なさい!

 

ごめっ・・んなさ・・・いっ!!

 




赤い

赤い

赤黒い炎から

白い煙がゆらゆら揺らめいてた。


1:故郷(4)

2015年07月29日 14:53

母という女はヒステリーな女だった。
些細な事で癇癪を起こしては
私に見せつけるように白い紐を持ってくる。



私は泣きながら
裸足で外に飛び出した。
誰かに私の存在を気付いてもらうため
助けを求めるために
近所中に響き渡る程の大声を張りあげ
狂ったように泣き喚きながら
追ってくる母から逃れるために
死に物狂いで裸足で走った。



だが所詮、子供。
大人である母から逃れられるわけがない。
母は私の腕を勢いをつけるかのように
グンッと引っ張った。


捕獲される野良犬のように
必死に抵抗する私の踵は
ゴツゴツしたアスファルトで擦れ
ジリジリと焼けるような痛みを感じた。



1:故郷(3)

2015年07月28日 00:52

遠い昔の出来事。
途切れ途切れの記憶。
だがこの日の事は鮮明に覚えている。



窓がいっぱいあって
太陽の明るい光が部屋中に差し込んでいた。
壁もベットも
目にする物全てが真っ白に見えた。
そこは角部屋の病院の個室。
彼女はそこにいた。


着物姿で
いつも凛としてた彼女。
だが私が目にした彼女は
小さなベットに横たわっていて
とてもとても小さく見えた。
生まれて初めて人の死を悟った。



堪え切れない程
唇が震え
涙がとめどなく零れおちた。

            
泣いている姿を見せたら心配させてしまう。
震える唇を噛みしめ
泣き顔を見られない様に背を向け涙を拭った。


彼女の死をきっかけに行き場を失った私は
戸籍上の家族である
両親と妹の待つ家に引き取られる事なった。


1:故郷(2)

2015年07月27日 21:17

彼女は日本舞踊が大好きな人だった。
部屋にはいつも音楽が流れてて
舞踊を踊る
彼女の姿を真似ながら
小さな和室で
円を描くように踊った。





白い陶器でできた
可愛らしい鳴き声の鳩の水笛
赤や黄緑色の
綺麗な模様が描かれた黒い水風船
洗面器の中で飼っていた
朱色と黒の出目金。


縁日の帰り道
彼女と手を繋ぎ夜道を歩いた。




夜は小さなお布団の中で
私達は互いに向かい合って
寝ていた。



寒い夜は
私の足が冷えないように
足を撫でてくれた。
お腹が痛かった夜も
彼女は私のお腹を優しく撫でてくれた。




躾には厳しい人だったが
とてもとても優しい人だった。
だが
そんな彼女との楽しかった日々も
そう長くは続かなかった。


1:故郷(1)

2015年07月26日 09:36

私は戸籍上
大阪のクラブ勤めだった母と
箸にも棒にもかからない
父との間に生まれた事になっている。


私が生まれた後日
二人は入籍。
その後、大阪を離れ母の実家に戻った。
父には自分の戻れる
故郷というものがなかったのである。



田舎に戻ると祖母に預けられ
彼女が亡くなるまで
両親と生活する事はなかった。
その為、幼少期の記憶に
両親の面影は全くない。



丙午生まれの祖母は竹を割った気性。
いつも着物で過ごす彼女の
背筋はピンと張り
火鉢の前で
キセルを吹かす粋な女であった。



男気性でありながらも情深く
私に惜しみない愛情を注いでくれた。
その甲斐あって
両親がいない事を疑問に感じたり
寂しさを感じた事は一度もなかった。
彼女は
私という人間に愛情を与えてくれた
最愛の人だった。





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