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13:13階段(20)

2016年01月31日 23:00

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13:13階段(19)

2016年01月30日 22:58

歌が聞こえる。
早送り再生しているような甲高い歌声。
歌声が響き渡る中
薄黄色とくすんだ緑色の二色が交差した
まるでペロペロキャンデーの様な
グルグルグルグル回転し続ける大きな渦を見つめていた。






その渦の中に
緑色の服を身にまとった三角帽子をかぶった小人が
渦の中にのみ込まれた。
小人は輪の中をグルグル回転しながら
渦の奥へとのまれ吸いこまれてゆく
小さくなっていく小人。
甲高い小さい悲鳴が音楽と共に聞こえていた。


渦にのみ込まれ
小さくなってゆく小人を見つめながら
助けなければならないと思う私と
手を差し伸べる事で
私も渦の中へ消えてゆくのではないかという恐怖が襲い
手を差し出す事に躊躇する私がいた。




耳に届く甲高い歌声と悲鳴

グルグル回転し続ける渦

のまれてゆく小人

助けなければ後悔すると思った私は
渦の中へ身を乗り出し
手を差し出すと小人の手を力強く掴み引き上げようとしたのだが
体ごと私も渦の中へ引き込まれてしまった。




回転し続ける渦
歌声は次第に大きくなり
私の体は外回りで回転しながら渦の中心へとのみこまれていく。
渦の中心へ向かうにつれ
回転スピードも速くなり
それに合わせるかのように歌声のスピードも加速する。





        ――― このまま、のみこまれていくんだ・・




大きくなる音楽と加速する歌声。
それに合わせ体も回転し目も回る。
グルグルグルグル回転する渦
私の体も目まぐるしい勢いで回転し
目が回る。



渦の中心へ向かい
奥へ奥へとのみこまれていく中、思った。
このまま死んじゃうんだって。
私も小人と一緒に死んじゃうんだって。
回転し続ける渦の中
私はそう思った。



13:13階段(18)

2016年01月29日 22:54

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13:13階段(17)

2016年01月28日 22:52

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13:13階段(16)

2016年01月27日 22:49

翌日の午前中、私は産婦人科にいた。
糊のはりついた硬いガウンを
看護婦さんが手渡す。


薄いカーテンの先にあるのは手術室。
一枚の布で隔たれた空間。
私が一歩足を前に踏み出す事により
小さな命が消される。
命が絶たれる。
私の手により、私の意思によって殺,,,される。
抹消されるのだ。




脳裏に浮かび上がるのは
このままここを駆け出して必死に逃げる私の姿。
怖くて、不安で、赤ちゃんに申し訳なくて
込み上げる感情を抑える事が出来なかった。
私の涙は大きな雨水の様に
ボタボタ・・と悲しい音を立てながら床に落ちていった。
必死に堪えようとするがダメだった。
私は自分の掌で力強く口を塞ぎながら
口から漏れる嗚咽を必死に堪えながら
このまま呼吸が止まればいいと思った。
このまま息が出来なくなって死ねたらいいのに、って。




世の中の人間はここで笑っている。
子供を宿した事に
母親になれるという資格を与えられた事に。
だけど私は違う。
ここで生むのでなく、殺.,.,そうとしているのだ。
自分が生きてゆく為に
ただそれだけのために
何の罪もない命を踏み潰し無かったものにしようとしている。

苦しい・・・

苦しい・・・・・

だけど一番苦しいのは私ではない。

私は声をあげ泣いた。
大声をあげ泣き崩れた。
一度、出した声は止まらなかった。



14:13階段(15)

2016年01月26日 22:46

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13:13階段(14)

2016年01月25日 22:43



       -------    着いたよ。




俯き泣き続けていた私は顔をあげ
助手席の窓から外を見た。
私が目にした光景は信じられないものだった。
薄暗い駐車場
そにはナンバーを看板で隠した車が数台止まっている。
明日、中...,絶するという立場に立たされている私
ずっと泣き続ける私を
薫が連れて来た場所はラブホテルであった。





            -------    疲れただろう・・ 少し休めばいいよ。





明日は人を殺,,,す日。


明日から私は殺,,,.人犯。


お前は共犯者だ!


同罪の罪人が 己性欲を満たす為に
今からセッ,.,クスをしようとしているのだ。
だがこの時の私は
もうどうでもいい、と思った。



笑った。
可笑しくて笑った。
あまりにも自分が情けなくて
ここまで利用されているのだと思うと笑いがこみあげてきた。
笑わずにはいられなかったのだ。



13:13階段(13)

2016年01月24日 22:39

翌日の午前中
手術をする事になりその場を後にする。
送るという薫を無視し歩いていると


       ---------  心配だから送って行くって言ってんだろう!!



薫が怒鳴るので
産婦人科の駐車場で怒鳴り合いの喧嘩となった。
意地でも言う事を聞かない私の手首を強引に掴みあげると
嫌がる私の背中を無理やり助手席に押し込んだ。
疲れていた。
何もかもに。
もうこの男と一緒になんか居たくない。
一人になりたいと思うのに、それさえも邪魔される。


走りだす車の中
私の涙がとまる事はなかった。
チェックのパンツに拭いきれなかった涙が零れ落ちる。
誰の為の涙なのだろう。
誰に対しての涙なのだろうか。
今も生きている子に対してなのか。
それとも自分の行おうとしている事に対してなのか。
手術に対しての恐怖なのか。
全てであった。
全てに対してだった。


怖かったのだ。
自分がどうなるのか。
怖くてたまらず
このまま全速力で駆けだし逃げだしたいとさえ思った。
そのまま消えてしまいたい。
消えてなくなりたいと思った。
幾度となく薫に話しかけれたが私の耳には入ってこない。
何を言われても、聞かれても茫然としていた。
助手席にうな垂れた私は下を俯きながら
とめどなく零れ落ちてくる涙をひたすら拭った。



         ------     着いたよ。




俯き泣き続けていた私が目にしたのは
信じられない光景だった。



13:13階段(12)

2016年01月23日 22:37

こうやって過去を振り返り文字にしてゆく度に
昔を思い出す。

唯一、父が機嫌良く
私と妹を外へ連れてゆく時、それはお正月であった。
嫌がる私達を車に乗せ
親戚中の家、一軒、一軒連れてゆく。
自分が乞食のように思え
すごく嫌だったのを覚えている。



頬の筋肉が浮き上がり
ご機嫌良く話し掛けてくる父は
お年玉を全部取りあげると
その金を握りパチンコに向かう。
手元に戻ってきた事は一度もない。



母はというと
お前達は2人で2千円!
親戚の××さん家の子は5人兄弟5人だから5千円!
お母さんは3千の損になる!
そう言ってお年玉を奪い取った。
何万円貰っても
私と妹の手元にお金が残る事はない。
ましてや親は何も買ってくれないのだ。
自分で生きてゆくしかなかった。


だがその為だけではない、
この家を出る日を夢見て
この地獄の様な日々から抜け出すために
その為だけに必死に働きコツコツと貯金していた。
真っ当な金。
必死に働き、何年もかけ蓄えた金が
まさか我が子を殺,,,す為に使うなんて思いもしなかった。



私は一体今まで何の為に
この地獄のような日々を辛抱してきたのだろうか
何の為に今まで耐え忍んできたのだろうか
まるで、この子を殺..す為に
今まで生きてきたような気さえした。


13:13階段(11)

2016年01月22日 18:06


高校生だった私には二十万程の貯金があった。
家には金がない。
飲んだくれのアル中夫婦。
自分達が呑む酒に使う金はあっても
私のために使う金なんてどこにもない。




すり減った靴底から雨水が染み
靴下がビショ濡れになる。
高校生になっても雨水が染みる靴を履いていた。
下着も通学に必要なバスの定期券ですら
何度、頼んでも両親は素知らぬふりを決め買ってくれなかった。





両親に頼れない私は
小学生の頃から自営業を営む後輩の家で
お手伝いという形でバイトをしていた。
部屋、トイレ、風呂掃除、洗濯といった簡単な家事全般
日給は千円であったが中学生まで続けた。

高校生になってからは、レストランでバイトを始めると
靴、バック、定期券、下着、洋服など
何もかも自分で買い揃えた。


一人で生きてこれたわけではない。
だがあの家で過ごす中
両親に何かを望み期待するのはやめた。
私には頼れる人はいない。
自分で生きていかなければならない、って。
いつも自分に言い聞かせ生きてきた。







生きていれば楽しい事はある。
そう思いながら当時の事を振り返り
幸せだった頃を探し出そうとするが一つも見つからない。
必死に探し出そうとしても一つも見つからない。
地獄のような日々だった。
それは私の心が貧しいからなのだろうか。
だが事実であるとはいえ
自分の親の恥を曝け出している事に対し
時々、罪悪感に苛まれる。
あんな親でも
こんな風に思う私がいるのだから不思議なものである。





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