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1:故郷(3)

2015年07月28日 00:52

遠い昔の出来事。
途切れ途切れの記憶。
だがこの日の事は鮮明に覚えている。



窓がいっぱいあって
太陽の明るい光が部屋中に差し込んでいた。
壁もベットも
目にする物全てが真っ白に見えた。
そこは角部屋の病院の個室。
彼女はそこにいた。


着物姿で
いつも凛としてた彼女。
だが私が目にした彼女は
小さなベットに横たわっていて
とてもとても小さく見えた。
生まれて初めて人の死を悟った。



堪え切れない程
唇が震え
涙がとめどなく零れおちた。

            
泣いている姿を見せたら心配させてしまう。
震える唇を噛みしめ
泣き顔を見られない様に背を向け涙を拭った。


彼女の死をきっかけに行き場を失った私は
戸籍上の家族である
両親と妹の待つ家に引き取られる事なった。




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