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1:故郷(21)

2015年08月16日 12:43

他人である私は邪魔者。
週末になると必ず
あの落書き事件の犯人である詩織の家に泊まりに行かされた。
私は詩織も
詩織の祖母も大嫌いだった。


詩織の両親は離婚。
母親は祖母に詩織を預けると
県外で水商売をしながら仕送りをしていた。
祖母と二人っきりの生活を送る詩織。
私が小学二年生になってから
そこへ毎週泊まりに行かされた。



詩織の母親は娘を不憫に思ってか
与えられない愛情の代償として
色々な物を買い与えていた。
女の子なら誰しも憧れるレースの付いた洋服
リカちゃん人形、スヌーピーのぬいぐるみ、マイメロちゃんグッズ。
部屋には置ききれない程の可愛い小物とおもちゃ。




人形どころか
おもちゃだって一度も買ってもらえなかった私は
皆がシルバニアファミリーやリカちゃん人形で遊ぶ中
落書き帳に絵を描き自分で着せ替え人形を作って遊んだ。
ふにゃ、ふにゃの紙。
破けてはセロハンテープで補修し
新聞の折り込みチラシに入っている家電製品の写真を切り抜くと
空き箱の端に貼りつけ
自分で作った紙人形の部屋を作った。
唯一、貯めた小銭で
市販されている厚紙でできた着せ替え人形を買った時には
あまりの嬉しさに
朝から晩まで狂ったように遊んだものだった。



だが目の前にいる詩織は私とは違う。
何でも持っている詩織は
私の目の前に次々と色々な物を出しては自慢した。
遊ぶ事もなければ、触る事だって許されない。
魔法の箱から出される物を
ただただジッと眺めては詩織を羨ましいと思い劣等感を感じた。





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