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2:姿なき心の犯罪(9) 

2015年08月27日 18:27

息をとめても
嗚咽が漏れ肩が揺れる。





   ―――  早く来い!



倉庫のドアが開かれ
背中を押され
外に放り出される。
涙で潤む瞳の中に眩しい光が飛び込んできて
眩しさで一瞬
目の前が真っ白になり何も見えなくなった。
髪の毛はグシャグシャ
そんな私を取り囲むかのように
私の肩と背中に手をかけ
ローカへ誘導する取り巻きの一人が言った言葉を
私は一生、忘れる事ができないだろう。





    ―――  大丈夫? 何かあったの?




一瞬、何を言っているのか理解出来なかった。
彼女達は、まるで泣いている私を助け出したかのように
私の背中を押し水場へと連れてゆく。




    ―――  泣いてるのがバレたら大変でしょう? 早く顔洗いな!




そういう事か。
私は蛇口をひねり水で顔を洗った。
口の中を切っているのか
それとも水道の錆なのか鉄の味がする。
私の顔を何度も確認する舞達。
私は彼女達が「よし!」と言う号令をかけるまで
ただひたすら顔を洗い続けた。
堪えていたものが吹っ切れたとでも言うのだろうか
あれほど酷い事をされたというのに
不思議なもので泣いた事でスッキリしたのを今でも覚えている。
この時の私は清々しささえ感じていた。







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