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2:姿なき心の犯罪(14)

2015年09月01日 22:31

舞が転校してきたのは一学期の半ば
中途半端な時期だった。
彼女が転校してくる直前
先生は道徳の時間
黒板に大きな文字を書いた。








        い     じ     め








故郷は小さな田舎町
「虐め」という言葉すら
この日まで知らなかった。
先生は虐めがどんなに人を傷つける行為なのか
そして転校してくる舞が
虐めの被害者だったという事を包み隠さず打ち明けた。




二十代前半の新米男性教師である先生は必死だった。
中途半端な時期に転校してくる舞が勉強についてこれるか
クラスに打ち解ける事ができるのか。
全てを捨て逃げるように
この地に訪れた舞の家族。
新しいこの地で娘が元気で過ごしていけるように
親は願い
先生も目を光らせていた。




彼女が虐められない為に
どうすればいいか考えた末
先生は教壇の上に彼女を立たせると
彼女の一つ、一つの行動から
ノートの取り方に至るまで
いかに他者より優れているかという事を見せつけた。
そうする事で周囲の人間が
彼女を馬鹿にしないと思ったのであろう。





三年間も酷い虐めに遭っていながら今度は加害者。
その加害者は正義のヒロイン気取り。
虐めという凶器でクラスの皆を脅し
リーダーの頂点に君臨していた舞。
だが私はこの女よりも
担任の方が大嫌いだった。
自分のクラスで虐めがあるなんて知られるのを恐れ
隠ぺい工作。
散々、説教たれながら
教え子の母親に手を出した人間が
虐めは人を傷つけるだと!? 
笑わせるな。
こんな屑にならない人間に
毎日、怒られているのかと思うと腹正しくてたまらなかった。






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