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5:消えゆく光(2)

2015年10月09日 10:46

父に無理やり入部させられたバレー部。
翌日行われる練習試合の打ち合わせがあった。
ふと気になり
時計を見ると六時を過ぎようとしている。
気が気じゃなかった。
家に帰ったら父に怒鳴られる。
皆が明日の準備をしている最中
全く集中出来ず何も入ってこない。
この後
私を待ちうけるモノへの恐怖しかなかった。



  ------ お父さんから電話があってな事情は説明したんだが

  今すぐ先生が送るから。


その言葉に背筋がゾッとした。
後部座席に乗っている間も
家に帰るのが恐ろしくてたまらなかった。
街灯もない田舎の農道を走る中
家が徐々に近づいて来るのが分かる。


心臓の鼓動が速くなるのを感じた。
激しく波打つ鼓動を感じる度に
恐怖と緊張
そして吐き気に襲われる。
事情を察知した先生が玄関を開け
両親に事情を説明する中
私は先生の後ろに隠れるように小さくなっていた。


「ご心配をお掛けし申し訳ありません。」

「いえいえ、こちらも事情が分からなかったものですから。」



冷静に答える父の顔を恐る恐る覗きこむと
明らかに表情が強張っている事が感じ取れた。


「では私はこれで失礼します。じゃー、先生帰るからな。」


真っ暗な中
黄色いライトの光が徐々に消えゆく。
だがその光はもうない。
私を助けてくれる人は誰もいなくなってしまった。




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