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12:失われた小鳥たち(20)

2016年01月08日 16:52


「私達ってさ、すごく似てる。 」


アキラの実家は、父親が小さな会社を営んでいた。
田舎という事もあってライバル会社もなく
この地の大半の仕事を請け負っていたため
アキラは何不自由のない裕福な家庭で育ってきた。



父親が一代で築き上げた会社。
会社の跡取りとなる息子欲しさに
子供が生まれる度に男の子を待ち望んだ父。
だが生まれてくる子は全て女。
妻も高齢出産に差し掛かる年齢という事もあって
最後のチャンスに望んだ五番の子
それがアキラであった。


一番年齢が近い姉も
アキラとの歳は十歳以上離れており
姉は嫁ぎ家に残ったのはアキラだけ。




      ―――   必死に働いて
             子供を育てても他人の家に嫁がせるのだから
             今まで何の為に苦労してきたのか分からない。



男の子を望み続け
最後の子宝に希望を抱きながらも
目の前にいるのは女の子。
男でない事に歯痒さを隠しきれない父は
将来、アキラに会社を継がせるため
婿養子を取る事に躍起になった。




      ―――  こんな成績じゃ家の跡は継げない!




試験の成績が悪ければ
皮膚を指先でつねりあげ、妻まで殴る。
母が殴られる姿を目にするのが耐えられなかったアキラは
父の期待に答えられるように必死に勉強した。
学習塾、習字、ピアノ、そろばん、日本舞踊まで習い続けた彼女。
だがどんなに彼女が努力をして100点を取っても
父は認めてはくれない。
父が望み続けたのは100点ではない
男の子だったのだ。





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