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15:サイン(9)

2016年02月16日 23:17

体育の授業が始まってもアキラが来る気配はなかった。
五分が過ぎ、十分が過ぎてゆく。


この時、妙な胸騒ぎがした。
嫌な予感がしたのだ。
アキラを一人で部室に行かせた事を後悔した。
授業の最中も何度も抜けだそうかと思ったが
この日の授業は、団体行動だった為
私が欠けると試合が出来なくなり抜けだす事が出来なかった。
一秒過ぎる事に言い知れぬ不安が荒波のように
私の心へ押し寄せてくる。
気が気がじゃなかった。
とうとうアキラが武道館へ現れる事はなかった。




「ごめん、私、アキラ探してくる。 先、教室戻ってて!」



授業が終った途端、
私は体操着のままテニス部の部室へ全速力で向かった。
気持ちばかりが焦り
足が縺れ絡まりそうになりながら
部室の薄っぺらい木の扉を力強く押した。



 

          ガチャッ。






「アキラ・・?!」




ブロック塀の壁で隔たれた狭い部室は
小さい窓が一つしかなく
昼間だというのに
太陽の日差しが差し込む事はなく真っ暗であった。
アキラの姿はどこにもなかった。






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