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16:寄る辺なき者(9)

2016年05月12日 23:30

どこで調べたのか
誰に聞いたのか分からない。
佐々木からアキラの状況を知らないかという電話がかかってきた。
佐々木も私と同じようにアキラの自宅へ連絡をしたものの
父親が一方的に電話を切るため
私ならアキラと連絡が取れるのではないかと思い連絡してきたのだ。



アキラの声が聞きたい
どうしているのか知りたい
ごめんね・・って言葉も伝えたい。
だがそれは私の心にある不安を掻き消すだけの行為
自己満足にしか過ぎない。




似たような環境で生まれ育ち生きてきた人間だからこそ
今、アキラの家族がどういう状況に追い込まれているのかぐらい察しがつく。
私が連絡する事でアキラ
そして彼女の母親にまで迷惑をかけるのだ。




誰かが泣いている時
側にかけつけ手を差し伸べる事も優しさでもあるが
では今の私に一体何が出来るのだろうか
アキラの現状を知ったからと言って何も出来る事はない。
アキラ達家族が置かれてる立場を考えるならば
そっと見守る事も
待ってあげるのも優しさの一つなのかもしれない。

  

「俺が電話しても切られるんだよ、小雪ちゃん今からアキラの家に電話してくれないかな?」


「すみません・・ 私はかけられません。
いつかアキラから連絡があると思うので私は待つことにします。」


「そっかぁ・・・」


最初の頃の佐々木は
とても落ち着いた口調であったが
少しずつ何かが変わっていった。





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