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16:寄る辺なき者(11)

2016年05月12日 23:32


  ―――  いい加減、彼女に付き纏うのはやめて下さい!
     本当にアキラの事を想うのであれば、
     少しは相手の家族の事も考えてあげたらどうなんですか?
     それでもアキラとやっていくと言う覚悟があるなら
     自分の足で家まで出向いて、父親と話し合うのが筋でしょう?
     その覚悟もないくせに
     中途半端な事するぐらいなら付き纏うのはやめて下さい!
     二度と私にも連絡しないで下さい! 迷惑です!



堪え切れなくなった私は
叩きつけるように電話を切った。


何もかも中途半端な佐々木は受験にも失敗
浪人生活を送り医者を目指しながら
その後、何年にも渡り、アキラ、アキラ、アキラ・・と
私のところに連絡し続けたのであった。



それから何年経った頃だろうか
偶然、立ち寄ったコンビニで佐々木の姿を目にした。
特徴ある顔ゆえ
すぐに彼が佐々木だという事が分かった。


彼がその後、どういう人生を辿ってきたのか私は知らない。
だが医療に携わっていないという事は
彼の雰囲気と外見から感じ取る事が出来た。
裕福な家庭で育ち、皆から秀才と呼ば持て囃された佐々木。
そんな彼の体からは、浮浪者のような悪臭が漂っていた。



あの頃、人影に隠れるように猫背で歩いている佐々木の姿が目に浮かび
彼が今もなお過去の柵を背負って生きているような気がして怖くなった。
知り合いだと思われたくない。
また昔の様にアキラ、アキラと付き纏われたくない。
私は逃げるようにコンビニを去った。
それから二度と彼の姿を目にしていない。






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