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2:姿なき心の犯罪(2) 

2015年08月20日 18:17

東西南北。
四方八方を
昨日まで笑顔で過ごした同級生に取り囲まれ
誰もが教室の真ん中にいる私を見つめている。
その瞳に疑問を投げかけると
誰もが逃げるように目を背けた。
まだこの頃は心のどこかしらに罪悪感というものがあったのだろう。
舞以外の誰もが逃げるような瞳をしていた。




だがそれも最初だけだった。
虐めってそういう人間の感覚を麻痺させる何かがあるのだろう。
日が経つにつれ
私の眼差しから逃げ続けた皆の瞳が輝き始め
楽しそうにすら見えた。
私の傷付いてゆく心は皆の餌。
その餌に群がる餓鬼。
誰もが私の一つ、一つの行動を監視する。
カバンからノートを取りだせば
群れでしか行動する事ができない
舎弟共が小声で舞に耳打ちをし
私に聞こえるように大きな声で笑った。





泣かない。
絶対、泣くもんか。
私は泣かない。
奥歯を食いしばる。
それなのに私の唇は
自分でもどうする事も出来ない程
震えていた。
鉛筆を握る手が震える。

 





  ポタッ。 








白いノートに涙が一粒零れ落ちた。
一粒だった涙が
やがて二粒、三粒になっては消えてゆく。
堪えきれなくなった私は泣き顔を見られないよう
机の上に覆いかぶさると両腕に顔を埋め寝た振りをする。
だけど誰も私が寝ているなんて思ってない。
皆知っている。
私が泣いているという事を。
だってどんなに歯を食いしばり涙を堪えても
私の背中は震えていた。
最後の意地。
泣き顔だけは見られたくはなかった。
私は声を殺し
何粒も何粒もノートの上に零れ落ちる涙を必死に手で拭った。






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