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18:この世の果て(2)

2016年05月13日 22:02

どこかぎこちなく不器用な彼女。
それでも一生懸命生きていたアキラ。
苦しかった時、迷わず私に手を差し伸べてくれた。
今、私の側に居てくれたら
きっと私は笑顔でいられた。
皆が無視しても、きっとアキラは私を裏切らない。
いつも私を励ましてくれた彼女の力になれなかった報い
これは罰なんだ。
彼女の受け止められなかったら、今こうやって苦しんでいる。



      苦しかったね・・

      
      アキラ、ごめんね・・・



私はバスを降り、近くの店でパンを買うと公園へと向かった。
そこは海が見える港公園。
芝が生えそろった公園には、たくさんの松の木が生い茂り
潮の匂いが冷たい北風で運ばれてくる。
やがて風に押されるように小さな雨粒が霧のように私の頬へ触れていった。
その日から私は毎日、海を眺めていた。
同じ場所の同じベンチに座り
あの時と同じように荒れ狂う白波の立つ海を
一人で眺めてはアキラの事ばかりを考えていた。


どこも行き場のない私は
雨の日には休憩所が備えれた公衆トイレや
ブロック塀で造られた
バス停の中で音楽を聞きながら過ごし
晴れた日はベンチに座り海を眺めていた。
その姿は、家族の誰にもリストラされた事実を打ち明ける事が出来ない
親父のようであった。


時間を持て余していた私は帰宅する時には
のんびり家へと向かう。
真面目に学校へ通っている素振りを見せながら現実から逃げ続けていた。
だがそんな日々も長く続くわけがない。
いつもの様に玄関を開け
何事もないかのように笑顔で自宅へ入った途端
間髪いれず、母の怒鳴り声で迎えられた。




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