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20:「僕」男の子。(3)

2016年05月14日 22:57

トイレの個室で両手で自分の口を塞ぎ
私は声を噛み殺し泣いた。
悔しくて。
哀しくて。
そして惨めで。
涙が止まらなかった。


涙は堪えたものの
林チーフのの元へ戻った時には
嗚咽を止める事は出来なかった。



「こーちゃん・・どうしたの? 遠慮しないで話してご覧、誰にも言わないから。」


私の泣き顔を見た林チーフは
仕事そっちのけで私の事を心配してくれた。


この人になら話せるかも知れない。
でも何から伝えたらいいのか
どうやって気持ちを伝えたらいいのか分からない。
言葉が見つからない。
椅子に似顔絵が貼られていて迷惑している、って
言えばいいのかな?
えっ、そんな下らない事で泣いちゃうの? 社会人なのに?
そう思われるかも知れない。
いやそうだ。
きっとバカげた下らない事、そう思われる。
言えない。
やっぱり私には言えない。


いつも苦しい時。
誰かに助けて欲しいって思う時
手を差し伸べてくれる人がいても
私はその手に縋る術を知らない。
受け止めてもらえる事より
勇気を持って伸ばした手を振り払われる姿しか想像が出来ない。
その時、傷付くのは自分だ。
だから私はこう答える。
今でもそう。
ずっとそう。
きっと死ぬまで変わらない。






           ―――  大丈夫です。





そう答えた私が翌日、会社に行く事はなかった。







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