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21:影踏み(10)

2016年07月14日 01:46



   --------   お前と話す為に休み取って来たんだ。
     

           今、都内のホテルに泊まっている。






意味が分からなかった。
この男が何をしたいのか
何を望んでいるのか理解できなかった。



私達はあれから逢っていない。
就職した事も
東京へ上京した事も
住所も連絡先も薫には何一つ話してない。
私達を繋ぐ接点は一つだけ。
それは実家の電話番号。


目の前から消えた
性欲の捌け口だった道具
その道具を手にするために
私の知らぬ間に
両親に結婚の話まで持ち出し
居場所まで突き止められ
私が気付いた時には
遠く離れた東京まで私を追ってやって来たのだ。





たった一度の過ちが
こんな形で今も尚
私の事を苦しめる事になるなんて
一体、誰が想像できるのだろうか。


無視したらどうなる。
不安ばかりが荒波のように押し寄せてくる。
何の前触れもなく
突然、飛行機に乗って
私を探し出すために東京まできたのだ。
逃げられないような気がした。
どこにも逃げられないような気がした。



尋常じゃない私の態度に心配した和美が
側に居るから寮に連れてくればいいと言ってくれたが
あの薫と知り合いだなんて思われるのが嫌だった。
覚悟を決めた私は
翌日、喫茶店で会う約束をした。




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