FC2ブログ

スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

23:涙のジョージ(7)

2016年07月18日 11:17

「愛してたんだよ.. 凄く愛してた..  
でも彼女にとって俺はただの性欲を満たすだけの道具。
若くて都合の良い燕だったんだよ。
でも俺は違った、愛してた。
それから女の人を信じらるのが怖くてさ、また裏切られるんじゃないかって。
ちょっと恐怖症、また誰かを好きになれるのか不安。」




愛してたんだよ...
その言葉は
今にも消えてしまいそうな程
儚げであり
彼の想いが計り知れないものだという事を痛感する。




時間は過ぎゆくのに
彼の中で時は止まったまま。
忘れられぬ彼女を想い続ける彼の姿を目にし切なく思う。
それは彼が口した「道具」という言葉に
相通じるものを感じたからなのだと思う。
愛のない世界で道具として生きて私と
愛する人の道具として過ごしてきた彼。
心に抱く感情を「道具」という言葉で否定し殺してきた私達であったが
誰かを想い切なさを抱く彼の事が羨ましく思えた。





「似てると思わない?」


「俺達が?」


「そう! 俺達が。
マスオさんは、人妻の事を忘れられない寂しがり屋さん。
だから私と一緒に居るんでしょう? 私も同じ。 誰と居ても寂しい。 
だから気が合うんだろうねっ。 ねぇ、こっち来て!」


「俺、ここで寝るから、気にしないで。」


「いいから! ここに来てよ。」


ベットを叩く私の隣に来た彼は
私の身体を引き寄せるかのように腕を差し出す
その大きい腕の中で私は子猫のように丸くなった。
男とホテルへ行き何もなかったのは
この日が初めてであった。





最新記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。