FC2ブログ

スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

23:涙のジョージ(15)

2016年05月14日 22:39

涙を拭う私の上で男になった彼は囁く。






挿れていい?





その艶めかしい表情や眼差しが薫に見えた。




頷く私はそれでも心のどこかで思ってた。
やめてくれるかもしれない、って。
きっと彼なら私が嫌だという事を気付いてくれている、って
自分勝手な妄想を抱き縋ろうとしていた。
結局、彼はやめなかった。
時が経過するごとに感情は高まり
哀しみは増すばかり。
鏡に映し出された
ちっぽけな自分の姿にまた涙が零れてくる。
涙を拭う私の手を冷たく振りほどき
背を向けた彼が呟いた。






これで満足?






突き放すような冷たい言葉に
また涙が溢れてくる。






好きだった。
好きだったんだよ。
ずっと不安だった。
もっと好きになって傷付くんじゃないかって怖かった。
お願い、振り向いて。
嘘でもいいから優しくしてほしい。
今日が最後だから
いつものように抱きしめてほしい。


白いシーツに涙が染み渡る中
何度も言葉にしようと思うのに伝えられない。
言葉にする勇気がない。
言えなかった。
拒まれて傷付くのが怖かったから。



いつも向かい合い寄り添うように時を過ごした私達であったが
この日、彼は背を向けたまま一度も振り返る事はなかった。
私達は一言も言葉を交わす事無く
背を向き合ったまま朝を迎えた。
終わりを感じた瞬間でもあった。





最新記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。