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21:影踏み(12)

2016年07月14日 01:55

勘違いのトバッチリを受けるの他でもない私だ。
とにかく薫の発する言葉一つ一つに対し
私は完全に否定し続けた。
だがモテナイ男の執着心に勝るものはない。
何度、私の気持ちを伝えても彼が理解する事はなく
言いようのない程、私は苛々していた。
午前中、落ち合った私達だったが
時刻は既に夕方になろうとしている。



私の居場所を突き止め
休暇まで取り
はるばる飛行機に乗り東京までやってきた薫。
この男は何て無駄な事をしているのだろう。
飛行機の往復チケット代を考えると
その金で違う女と十分遊ぶ事も出来るはずなのに、そう思った。
そういう視点でしか見れなくなっていたのだ。




自分の存在が見いだせなく
居場所がなかったあの頃
私は寂しさを埋める為に薫という存在を利用した。
それと同じように薫も私を道具として利用し続けた事には変わりない。
私にとって薫という存在は
ただの通過点であり
人生最大の汚点
私の中から抹消したい人物にしか過ぎなかったのだ。







  ---------  分かった。二度とお前の実家、寮にも電話しない。
    

         二度と付きまとわない。

 
        ただ最後に一つだけお願いがある。 部屋まで送って欲しい。





黒いテーブルに頭をつけ懇願しする薫。
どこか吹っ切れたような薫の姿に安堵した私は
東京まで出向いてきた
彼の気持ちを思うと無下に出来ず
「見送る」という条件で彼の宿泊する部屋の前まで送った。





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